賛美歌312番✟いつくしみふかき〜What a friend〜
1.慈しみ深き 友なるイエスは
罪(つみ)咎(とが)憂(うれ)いを 取り去り給う
心の嘆きを 包まず述べて
などかは降ろさぬ 負える重荷を
2.慈しみ深き 友なるイエスは
われらの弱きを 知りて憐れむ
悩み悲しみに 沈めるときも
祈りにこたえて 慰めたまわん
3.省略

私がこの賛美歌に出会ったのは小学2年生のときでした。
親しみやすく優しいメロディー。キリスト教の結婚式や葬儀でもよく歌われているのでクリスチャンでなくても誰しもが一度は耳にしたことのある有名な賛美歌です。
聖歌607番✟罪咎を担う
ちなみに聖歌では罪咎(とが)を担うという訳になっています。じつはこちらの歌詞のほうが私は好んで歌います。特に2番の歌詞は
2.試みの朝(あした) 泣き明かす夜
気落ちせず全て 打ち明けまつれ
われらの弱きを 知れる君のみ
われらの涙の もとを読み給う
となっていて、毎回『われらの涙の もとを読み給う』のところで涙が込み上げてきて歌えなくなります。

神さまは私の悩み苦しみを知っていてくださる、という信仰が内側から湧き上がってきて慰められるからだと思います。
作詞者はアイルランド出身のジョゼフ・スクラィヴィン
20代の頃、大塚野百合さんの著書【賛美歌・聖歌ものがたり】を読み、いつくしみふかきの作詞者がアイルランド出身の男性ジョゼフ・スクラィヴィンであると知りました。
結婚式直前の悲劇
彼は婚約者が結婚式直前に事故で亡くなるという悲しい経験をしていました。

あまりの悲しみのゆえにアイルランドを出て違う土地に移り住みました。
再び婚約者との死別
彼は新しい地カナダのオンタリオ湖北岸の町で労働者のために奉仕活動をしていました。

時が経ち41歳のときエリザという女性に出逢い、大切な存在になりました。しかしその彼女も若くして結核にかかり亡くなってしまいます。
気落ちした母を慰めるために作った歌が賛美歌に
のちに彼は悲しみのなかにある母親を慰めるために歌を書きました。それがこの賛美歌でした。
誰にもわかってもらえない悲しみ、苦しみのなか、彼は神さまに個人的に深く慰められたのでしょう。

歌詞の詳しい訳
大塚野百合さんの英語からの詳しい訳は以下⬇
1.なんという素晴らしい友でしょうか、主イエスが私たちのすべての罪と悩みを負ってくださるとは!
なんという特権でしょうか、すべてを神に祈ることができるのは!
しかし、なんとしばしば私たちは平安を受けそこない、無駄に心を痛めるのでしょうか。すべてのことを神に告げる祈りをしないからです。
2.試練や誘惑に出会っていますか?困難がありますか?失望してはいけません。主に祈りなさい。
こんなに真実な友があるでしょうか、私たちのすべての悲しみを感じてくださるという方が?
主イエスは私たちの弱さを全部ご存知です。主に祈りなさい。
3.重荷に弱り、心労に疲れていますか?貴い主は、私たちの逃れ場です。主に祈りなさい。
友に軽蔑され、捨てられていますか。主に祈りなさい。
主はそのみ腕にあなたを抱き、あなたを守ってくださいます。そこにあなたは慰めを見いだすでしょう。

心に響くイエス・キリストのことば
すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。マタイの福音書11章28節
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